2015年2月14日土曜日
The letter is not burnt on fire. It returned to earth by ants. ~文字は火に焼かれず、蟻によって土に返る。
My funny Valentine
Episode Ⅰ ---- 2012/06/03
崩れかけた箱から大量の蟻!
卵のようなものも!
わあーっ!
気色悪く、思わず箱ごと庭に放り投げた。
箱の中身は、特別な書簡を紙箱に入れておいたもの。
大切に保管するために倉庫の本棚の上の方に置いておいた箱が、
雨漏りした部分から、箱全体に水がまわり、紙がふやけ、乾燥し、再び水が染み込みを繰り返し
書簡の束は土壌になり、蟻たちの絶好の住処と成り、書簡の塊に蟻が巣を作った。
いくつかの書簡はボロボロに。
いくつかの書簡は粉々の土のようになり、
原型をとどめている書簡の隙間からも、おびただしい卵。
大切に保管されていた言葉は蟻によって土に返った。
残したいものはなくなり、どうでもいいガラクタが残った。
Episode Ⅱ ----- 2015/01/20
生物学者が図書館で大発見をする。
生物学者は図書館で古い紙箱に入った夏目漱石の書簡を見つけた。
彼はその箱が虫に喰われているのを見つけ、その虫への関心から、その箱を開け、
「月がきれいですね」=「I love you」の日本語訳という伝説の証拠を見つける。
それは漱石が英語教師をしていた時のエピソード。
学生からのハガキに書かれた事実の発見が事件解決の重要なポイントに使用される。
相棒Ⅱ(TVドラマ再放送より)
Episode Ⅲ ----- 2061/08/15
映像、画像、テキスト、メールのやり取り...デジタルメディアで保管していたものが再生アプリとハードの賞味期限切れ、クラウド上サーバーのサービス終了ですべて消えさった。
彼と彼女の物語は存在しなかったように消えてなくなってしまう。
そして、彼と彼女を取り巻いていたその時代さへも存在しなかったように蒸発してしまった。
Prime Ministers Security によって「架空の歴史ノート」が空白の部分に書き加えられた。
"Google boss warns of 'forgotten century' with email and photos at risk"
http://www.theguardian.com/technology/2015/feb/13/google-boss-warns-forgotten-century-email-photos-vint-cerf?CMP=share_btn_fb