2018年8月11日土曜日

【井戸端会議】

【井戸端会議 その1】


「それでもここは田んぼや樹木が多いから陽が落ちると涼しかったのよ。エアコンなしでひと夏過ごしたこともあるわ」


「だけどね、全国、住みやすい街ランキングで今年は7つもアップして全国9位になったのよ。住みやすい街になったのよ。なぜだかわかる?」


「だけどね、陽が落ちて涼しくなった感じが少しなくなったわ。これって住みにくくなったってことじゃないの?」


「そうそう、バイクで走ってると、瀬戸から芸大通を通って日進に近づくにつれて気温がじわじわ上がってるのを感じるわ」


「わけのわからない雑木林や竹藪のある駅に通じる山が一気に丸坊主にされ、鳴り物入りで大きなGMSができたもんだから」


「街はショッピングセンターとともに、というわけね」


「暑かったらショッピングセンターに来なさいと言ってるのよ」


「だけど、何個もある造成されたショッピングセンターの駐車場に車が止まってるのを見たことないわよ」


「そうそう、そもそも子供の出生率が減って、人口が減少しているのに相変わらず山を崩して造成し家をどんどん建てているんだから、意味わかんないわよ」


「あんたバカーッ? 需要があるから開発してるんじゃないの。今この場所は、未開拓土地がある最後の砦なんだから。というか、開発場所を移動しながらお金儲けをするの。ここに人口が集まりそうだと目を付けたらそこを開発し、それが終わったらよそへ移動しながら開発は永遠に続くのよ。それともなに、あんたアスファルトの道路をつるはしかなんかで全部壊して雨が降ったら泥んこになる土の道に戻せとでもいうの?そんなことして自動車がなけりゃ毎日の買い物にも行けないあんたは生きてゆけるとでもいうの?」


「そういえば70年代初めに拓ちゃんも歌ってたわよねぇ。自然に帰れっていったいどういうことなんだろうって」


「そうそう、この国はスクラップアンドビルドでなけりゃ経済を回してゆく方法がないの。(キッパリ)土木中心で山を壊し、道を作って、単価の高い商品を売るってわけよ。生産性を上げるってことは、需要があるからってわけじゃないの(キッパリ)」


「そうか、消費によってお金が動くってことが大事なのよね」


「名古屋城木造天守がもめてるけど、あれもよく似たもんだわ」


「それでもねぇ、クーラーのきいた涼しそうなスタジオで、命の危険の暑さについて語る芸能コメンテーターという人種を見てるとむかつくのよ」


「部屋にいる時は、エアコンの使用を我慢せずに・・・とかあたりまえのように言ってるニュースキャスターにもむかつくわねぇ」


「わたしなんか、昔とは気候が違うという人にもむかつくわ」


「エアコンのない37℃の部屋でテレビを見ているうちの爺ちゃんなんか、こないだテレビに向かって、こんな気候に誰がしたってボソッと吐き捨ててたわ」


「あんたケチってクーラーつけないもんだから、頭おかしくなったんじゃないの?」



連日、連呼される「命の危険」によって命の危険は暴落する。