遅れてきた20世紀少年が映像表現に興味を持ったのは、映像史や美術館の中にではなく、ロジャー・ウォーターズのThe Wall ライブとそのプロモーションビデオだった。プロジェクションマッピングという言葉がまだ一般化していない35年前、巨大な発砲スチロールでできた万里の長城を思わせる壁にプロジェクションされる絵巻物は、アクターとオーディエンス、実写とアニメーション、映像と物理的な壁、こことあそこを高速で行き来する完璧な装置に見えた。
2015年の今、閉塞感を紛らわすカタルシスがここにはある。
http://noisey.vice.com/blog/roger-waters-the-wall-interview-2015