FRP (Fiber Reinforced Plastic) で一般的に使用される樹脂である不飽和ポリエステル樹脂にはインパラ(パラフィンが入っている物)と、ノンパラ(パラフィンが入っていないノーマルな状態)があります。
インパラ ============
インパラの樹脂にはあらかじめ材料の不飽和ポリエステル樹脂にパラフィンが混入されています。
成型用の不飽和ポリエステル樹脂は、硬化するときに空気中の酸素や水蒸気に触れていると、いつまでも表面がベタ付き硬化時間が長くなります。
そのため、樹脂の硬化反応熱でパラフィンを表面に溶出させて被膜を作り酸素などから遮断してベタ付きなく完全硬化させ、硬化時間を短くしたものがインパラです。
インパラは硬化後表面にパラフィン皮膜が形成されるので、次の工程の樹脂の接着を妨げ剥離の原因にもなります。
数日に分けて積層を行う場合には、硬化した表面をサンディングしパラフィン皮膜を除去した後に積層する必要があります。
冬季、温度が上昇しない場合などは、樹脂表面付近で最低25℃以上の温度に達せず、パラフィン被膜が形成されないので、いつまでたっても積層面がベタベタします。
ストーブなどで環境温度を上げる必要があります。
ノンパラ ============
パラフィンが混入されて無いため表面がベタベタしますが接着力にはすぐれ、サンディングの必要がないため積層用に向いています。数日に分けて積層を行う場合に適しています。
メーカーや業者にあらかじめノンパラと指定して材料を購入する必要があります。
* 不飽和ポリエステル樹脂は熱硬化性樹脂(主剤と硬化剤の化学反応によって樹脂自体が発熱し硬化)です。