2019年5月8日水曜日

地図絵と山水画について




 地図絵は小学生低学年の頃より描いていましたが、それは自らが行った場所を客観的に知りたいという確認作業のようなもので主知的な行為であったと思います。
この地図絵は俯瞰によって描かれますが、グーグルアースによって自らの位置を見たいという神の視点に似たものとして成されます。
一方で山水画は西欧洋画(近代絵画)の写生的風景画とは異なり、やはり主知的な行為でもあります。
というのは、山水画にしばしば登場する点景としての人物がそのことを示しています。
点景として描かれた人物は絵を描いている作者でもあり、画中を路行く人でもあり、その人物が絵を観る人にも重なり、俯瞰している神の視点であると同時に画中をさまよう主人の視点でもあり、この二重に重なった視点が合体した観念としての世界図でもあります。
つまり、グーグルアースによる宇宙からの俯瞰図=神の視点はズームインしてゆき3D表示される最大ズームからストリートビューへと世界に入り込む視点が合体して同一画面上に表示されるようなものです。
こう考えてゆくと地図絵と山水画は連続した世界についての観念図=イラストレーションであり、地図絵から山水風景画、そして日常的な光景を描く風俗画に至るまでシームレスにつながっていると感じるのです。