いつもは10時前に届く午前中着の荷物が昨日は10時半前。そして今日もまだ来ない。
どうしても午前中に受け取って作業し、
夕方の便で大陸に送らなくては、
明日からしばらくここを離れるので、
そのスケジュールが狂ってしまい、
ひいては生産スケジュールに大きく影響してしまう。。
だからどうしても午前中に荷受をしなければならないのだ。
もしそんな切羽詰まった時に、
もよおしてしまい、小さな部屋に閉じこもってしまって、
そこに荷物が届いたらどうしよう。
ここにいるのに、
玄関に出ることができず、
不在通知を鉄扉の郵便受けにはさんで配達人は荷を持ち帰ってしまい、
不在再配達を頼むも、
次は夕方になりますが、、と言われてしまい、、、
そんなことをいつも考えていた彼は、
しかし、そんな不安はいつも回避され、
タイミングよく事をなしてるときに配達員は来たことがない。
つまり、
そんなタイミングよく物事は起こらないという根拠なき自信は
不安に勝って、いつもやり過ごされてきたのだ。
神はサイコロを振らない。(このタイミングにそのことわざは??)
が、
今日は違ったようだ。
「もうすぐ便が来るかもしれない。」
そんなふうに彼が思った時、、
大きな便をもよおしてきたのだ。
「まずい、もしことの最中に便が来たら。。」
「まあ少しの間だけだから大丈夫か、そんなにタイミングよく便は来ないだろうし。」
と思って、扉を開けたままことにおよぶ。
「昨日はあまり食事をしなかったから出が悪いよな」
と思った時、
小食の昨日だからするっとはいかなかったけどそれはやってきた。
と
その時まさかの
「ぴんぽーーん」
なんてことだ・・・!
ちょっと前までは便が来る気配はなかったのに
なにゆえこのタイミング!
「ちょっとまってくださ~い!」
大声で開け放たれた個室から叫ぶ。
風呂場の小窓を通して玄関扉の前にいる彼に聞こえるように
もう一度大声で叫んで、
「は~い」
あわてて処理をして、急ぐが、
大声を出したためか、あわてたためか、
呼吸困難の発作が起こりそうになる。
うーうー叫びながら、必死で玄関の扉を開けた。