「蛇に足があるように物語には続きがある‥‥」
小説「顔本」の冒頭の言葉から発想したプロジェクト。
この小説自体が蛇足であるのだが、あらためて「蛇足」ということについて考える。
物語は続く。それは「類」としての物語であるが、その「大きな物語」に「個」としてのアプローチを加えることで大きな物語自体が転覆するようなテロのような意味を、時に持ってしまう場合がある。
つまり人類の歴史とはこのようなものなのだが、あらためて「蛇足」という視点から物語りをクローズアップすることでより顕在化するプロジェクトである。
ここで言う物語には小さな個としての物語もふくまれれば「歴史」というすでに顕在化し多くの人が共有していると信じている大きな物語も含まれる。
リノベーション自体に言及しているプロジェクトでもある。
既存の簡潔している作品に余分に追加してそれ自体が脱臼してしまうもの。
作品は芸術全般に限らずあらゆる日常に適用できる。
完結している小説などの物語の続きを書く。
完結している絵画に余分なものを付け足す。
完結している日常品に余分なものを付け足す。
などなど
追記:240228 -------
しかしこのプロジェクトが厄介なのは本歌取りのように、元の芸術を芸術でなくしてしまう暴力的な場合もあるということである。
場合によって修復という名目で行われることもあり、付け足しに限らず、洗浄という名のもとに元の芸術を洗い落としてしまう場合がある。ダビンチ先生のアヅレーションが洗浄により無残な状態にされたように。