2014年4月27日日曜日

global library






global library についてのイラストレーションである。

「類」としての記憶とDNA ~

個人のプライヴァシーが崩壊したインターネット社会ではプライヴァシーという概念がなくなる。
クラウドコンピューティングの環境では繋がった個の記憶の共有が、自と他を分ける感覚が希薄になり大きな類の記憶に置き換えられる。
大きな物語としての歴史でなく、小さな物語の莫大な集積ビッグデータで満たされる。
クラウド、それはあたかも類としてのDNAの外在化、顕在化のようなものである。
~幸村真佐男氏のアーティストトーク130823@N-mark参加後に記


Sir Arthur Charles Clarke (アーサー・C・クラーク) ----------

1958年ごろ、クラークは様々な雑誌に科学的エッセイを連載し多くの予言を残している。これらは1962年の『未来のプロフィル』にまとめられている。2100年までの年表には様々な発明やアイデアが盛り込まれており、例えば2005年に "global library" という記述がある。同書には「クラークの第一法則」が書かれ、後の版で「クラークの三法則」に改められている。(wikipedia より)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF

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幸村先生が36年前スリランカに行ったことを聞き、その頃コロンボに移住していたアーサー・C・クラークのことを思い出した。
wikiっていると2005年にクラークが書いたという"global library"という概念に出会う。
言葉からだけ勝手に想像するその考えは、自身の80年代に囚われていたことに対することと、その頃の制作の動機付けになったことが言葉として整理され気分がすっきりした。

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80年代に囚われていたことに対する整理------イメージと手法
キューブリックの「2001年宇宙の旅」のラスト30分の啓示と、そこから連想したグローバルライブラリーという考えが、その後の制作の動機付けになったと今にして思えば整理できる。
グローバルライブラリーをシンボリックに表現した地球上のすべての記憶装置としてのモノリスと巨大な赤ん坊スターチャイルド。
だからこの頃に描いていた絵は"global library"という考えについてのイラストレーションであり、1991年初めての個展での展示はそれを発展させた立体イラストレーションであるといえる。

80年代初頭頃より熱中した青いマジックインキでのピクセルドローイング。
材料的には、その頃、パイロットより商品化されたペイント系のマーカーとアルミ粉が混入された銀マーカーを発見した頃から始まる。
手法的には、印刷物の網点、ドットを拡大したリヒテンスタインの絵画に対抗し、丸を四角のピクセルにして手描きしたこと。
角がある四角いピクセルは、角が無い丸いドットより目に刺激的である。丸いドットは画面に奥行きを与えるが、四角いピクセルは画面のこちら側に向かってくる。それは眼球が丸い球であることに対し、四角は目に突き刺さる角があることによる。と非科学的な直感による。四角は平面の形と相似形をなし、フラクタルにイメージを連動させることができる。



そして再び"global library"という考えを思い出したのは幸村真佐男氏のFlickerシリーズに出会ってからであり、そのことが氏の近年の仕事への、勝手な親近感と興味へと繋がったのである。