2015年12月20日日曜日

タルクとタンカル (樹脂添加剤について)


タルクやタンカルは石膏型を用いた樹脂成形の場合に使用するが、その目的の一つは型を流れ落ちることによって工程上不適切な状況を粘度を上げることで回避するためである。タンカルやタルクを樹脂に混入することで粘度が上がり、樹脂は型の中を流れ落ちることなく厚みを保った状態で硬化することができる。このことにより樹脂の厚みが薄すぎて硬化不良を起こすことを避けることができる。

タルクやタンカルはどれだけでも樹脂に混入することが可能であるが、混入成果物比において樹脂分の割合が少なくなると可塑性が低下する。
石膏凹型に塗布する場合は、刷毛で塗りやすい粘度で使用するが、添加物の割合を増やすことでピンホールや陥没した部分の補修用パテとしても使用できる。
ただし、この場合には成形した積層層の比率に比べ添加剤の比率が多いため硬くサンドペーパーによるサンディング仕上げ工程においての扱いが難しくなる。表面に硬度が異なる部分をサンディングすればわかるように、硬度の低い部分の方が削りすぎ、パテ埋めした部分との境界で段差が生じスムーズでシームレスな仕上がりにならない。
そのため、タンカルやタルクを混入したパテを使用する場合は樹脂ボディの構造上に影響がある部分に使用し、表面をスムーズに仕上げる部分には、らく研ぎパテやタミヤのポリパテのように削りやすいパテを使用すべきである。しかしこの場合でも母材ボディーとの硬度に差が生じる。
やわらかい部分と硬い部分が混在する表面の仕上げにおいてはこういったことがついてまわる。
そのことを回避する方法としては、パテで仕上げた部分のある表面の作業がある程度終了した時点で表面全体を硬度を一定にすることが必要である。
そのためには、仕上げ用のプラサフやラッカーサフェーサー(トルエン系)ではなく、ポリサフを塗布することでこの問題が回避できる。
ポリサフは積層用不飽和ポリエステル樹脂と同じようにナフテン酸コバルトや硬化剤を塗布する前に混入する、母材と同じ材質である。硬化剤混入後は化学反応が始まるので作業は迅速に行わなければならない。





タルクとタンカル、いずれも樹脂に混入し増量剤や添加剤として使用される鉱物粉であるが実は食品添加剤や医薬品としても使用されている。





タルク(滑石)---- wikiより

滑石(かっせき)は、珪酸塩鉱物の一種、あるいはこの鉱物を主成分とする岩石の名称。
別名として英語名talc(タルク)、フレンチチョーク、ステアタイト、ソープストーン、ろう石など。
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 Mg3Si4O10(OH)2
白色、淡緑色
比重 2.7
モース硬度 1
滑石はモース硬度1の基準となる標準物質で、鉱物の中で最もやわらかいもののひとつである。爪で傷つけることもできる(爪の硬度は2.5度)。

滑石(かっせき、talc、タルク)は、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物で、粘土鉱物の一種である。

用途
食品添加剤としては、既存添加剤、製造用剤に分類される。チョーク:黒板用、裁縫の時に使うチャコ、工事現場などでのマーキング用、熱で消えないため溶接や製鉄の現場で使用されている 。
その他の用途としては、玩具、ベビーパウダーなど化粧品類、医薬品、上質紙の混ぜ物などがある。ベビーパウダーをタルカムパウダーと呼ぶ事があるのは、滑石の英語名 talc に由来する。
滑石は品質により、含有量は大きく変わるがアスベストを含有することがあるので不用意に吸入したりすることのないよう注意が必要である。
一般的には北イタリア産のものがアスベストの混入が少ない上質とされている。
利尿作用、消炎作用があるとされ、中国では硬滑石の名で用いられる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BB%91%E7%9F%B3




タンカル(炭酸カルシウム)---- wikiより

炭酸カルシウム(たんさんカルシウム、calcium carbonate)は、組成式 CaCO3 で表されるカルシウムの炭酸塩である。
貝殻やサンゴの骨格、鶏卵の殻、石灰岩、方解石、霰石、大理石、鍾乳石、白亜(チョーク)の主成分で、貝殻を焼いて作る顔料は胡粉と呼ばれる。土壌ではイタリアのテラロッサに含まれる。

製法
実験室では、水酸化カルシウムに二酸化炭素を反応させて合成する(石灰水による二酸化炭素の検出原理)。
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
塩化カルシウムなど可溶性カルシウム塩水溶液に少量のさらし粉を加え不純物の鉄、マンガンを酸化させたあと水酸化カルシウムを加え、不純物を濾別し、炭酸アンモニウムを加えて沈殿を得る。
Ca2+ (aq) + CO32− (aq) → CaCO3
産業的には「タンカル」と通称され、粉砕した石灰岩を粒度分級した普通品、重質品がほとんどを占めるが、化学反応で微細な結晶を析出させた沈降炭酸カルシウム(薬局方)、軽質炭酸カルシウムも用いられている。粒度をコロイド領域でそろえるなどしたものが、医薬品や食品添加物、填料などに用いられている。
製造法の反応式は実験室と同じで、日本では炭酸ガス反応法(主に生石灰用焼成炉からの)、欧米では可溶性塩反応法によって生産されている。

利用
錠剤の基材、チョーク、窯業、農業、製紙などに用いられる。ゴムや充填剤の添加剤としても使われ、研磨作用を利用し消しゴムや練り歯磨きにも入っている。化粧品原料、食品添加物としても使用が認められている。医薬品としては、胃酸過多に対して制酸剤として使われている。

性質
無色結晶または白色粉末であり、中性の水にほとんど溶けないが、塩酸などの強酸と反応して、二酸化炭素を放出する。
CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2
25 ℃ における溶解度積は以下の通りであり、炭酸バリウムよりやや小さく炭酸ストロンチウムよりやや大きい。
CaCO3  \rightleftarrows\  Ca2+(aq) + CO32−(aq), Ksp = 3.6 × 10−9
加熱することにより酸化カルシウムと二酸化炭素に分解する。二酸化炭素の解離圧が1気圧に達するのは 898 ℃ である。
CaCO3 → CaO + CO2
水酸化カルシウム水溶液(石灰水)に二酸化炭素を吹き込むと炭酸カルシウムの沈殿が生じる。さらに過剰の二酸化炭素を吹き込むと炭酸水素カルシウム Ca(HCO3)2 となり水に溶解する。
CaCO3 + CO2 + H2O → Ca(HCO3)2
多少吸い込んでも、肺の中に蓄積しない。血液の中には二酸化炭素があり炭酸カルシウムは炭酸水素カルシウムに変化して溶解するからである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E9%85%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0