2022年3月9日水曜日

220309 15:45~17:34 荒池、鴛鴦 (オシドリ) の交尾と蒿鵐 (アオジ)

 

撮影時に気づかず帰宅後、画像データを整理していて発見。♀の上に乗っかる♂、おぼれそう


「冬ごとに毎年パートナーを替え、抱卵はメスのみが行い、育雛も夫婦で協力することはない。」(wiki)というオシドリ。
渡りの前にパートナーを決め、交尾してからの北帰行。というかここで繁殖?皇居の森でも繁殖してるし、冬鳥ではない漂鳥。「本州中部以北で繁殖、冬期は主に西日本に移動し越冬」といえば、ここ愛知県名古屋市東南は微妙な位置です。



オシドリというとよく話題に上る生態と故事の不一致問題。
観察に来ていた同年配の男性が双眼鏡をのぞきながら、この件について話しかけてきました。「<男という生き物は自身の遺伝子を多様性を持ってあちこちに残さないといけない使命>という生物本能があるのでしょうか。」なんて返答はしなかったのですが、ジェンダーフリーが叫ばれたり不倫バッシングの煽り報道など昨今、この件は結構、生物としての人にとっては重大問題なんですよね。


仲の良い夫婦についての言葉である「おしどり夫婦」。毎年パートナーを変えるオシドリの生態からは反対のようなこの言葉の由来は、中国の故事「鴛鴦(エンオウ)の契り」からきているとのこと(↓参)ですが、kimo-ota さんのブログ「おしどり夫婦ではないおしどりがどうして仲睦まじい夫婦の象徴なのか?」では、オシドリの樹上営巣という生態が関係しているのではと指摘されています。(↓↓参)

 


故事ことわざ辞典【鴛鴦の契りの解説】より引用。--

中国の春秋時代、深く愛し合いながらも悲劇の生涯を送った宋の韓憑夫婦の墓を守る梓の木の上で、おしどりの雄と雌が寄り添って一日泣き続けたという故事からのことわざということで、「鴛鴦の偶」ともいうそうです。

http://kotowaza-allguide.com/e/enounochigiri.html#:~:text=%E3%80%90%E9%B4%9B%E9%B4%A6%E3%81%AE%E5%A5%91%E3%82%8A%E3%81%AE%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%80%91&text=%E3%81%8A%E3%81%97%E3%81%A9%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%84%E3%81%A4%E3%82%82%E9%9B%84%E3%81%A8,%E3%80%8C%E9%B4%9B%E9%B4%A6%E3%81%AE%E5%81%B6%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%82%82%E3%80%82


kimo-ota (ikimono-otaku)さんの2021年12月19日ブログ「おしどり夫婦ではないおしどりがどうして仲睦まじい夫婦の象徴なのか?」より引用 ----
...それを知った妻も、夫と同じ墓に入れてほしいと遺言を残して自殺しました。ところが、王はわざと二人の墓を別々に隣り合わせに作りました。そうすると、それぞれの墓から木が生え、枝や根が絡み合うほどに成長しました。そこにオシドリのつがいが巣を作り、寄り添って鳴き続けました。



ところで僕は、そんな故事よりもオシドリの♂♀にそれぞれ「鴛」「鴦」と異なる漢字があてられているということの方に興味を持ったのですが、それはまた別の日に。


青鵐、蒿鵐、蒿雀 ヨモギあるいは青にしとどと書いてアオジ。冬鳥として移動の途中?

漢字の名前を見ると面白いですね。巫+鳥で鵐(しとど)。鵐とはアオジ、ノジコ、ホオジロ、ホオアカなどの小鳥の古名だそうです。天武紀・下には「摂津の国白き鵐を貢る」の記述があって、小鳥を貢物として差し上げていたのですね。


近所の池々では冬鴨の群れはほとんどいなくなりましたが、荒池のオシドリとトモエガモはまだ結構な数がいますね。



写ってないですが、カイツブリも目の下から首にかけて鮮やかな赤みを帯びた羽毛に変わってきてる個体も確認しました。
ずいぶん暖かくなってきましたが、荒池のオシドリはいつまでここに留まっているのか、観察は続きます。


追記:
翌日3/10以後、トモエガモが確認できず。この日が私の観察では今期トモエを確認した最後になりました。3/9~10の夜に渡りを行ったようです。