レオナルド・ダ・ビンチの空気遠近法の絵画はスフマート技法でぼかしていても、たとえばモナ・リザの絵を見ると近景~遠景までどこもビチッとピントが合っていて、それに比べてマネの筆跡が荒々しく残る絵画はブレやピントが合っていない空気感を捉えた写真のように見えるというところが、写真の影響を受けた印象派というところに考えが至った次第。
つまりカメラオブスクラでトレースしてる時代の絵画は輪郭線をアタリとして追いかけていて、銀塩写真が登場したことで時間に追いつかない光が、いや光に追いつかない化学時間が、ブレやピントという出来事の概念を生み出したということ。その現象が見えるようになったということで、ヒトの視覚認知が更新されたということ。