建仁寺の二つの双龍図。
一つは海北友松による障壁画。(建仁寺本坊大方丈障壁画 礼の間「雲龍図」8面)
これは二面が障子でその対角線に二面の襖に描かれている。(重要文化財 京都国立博物館寄託で建仁寺の展示はキャノン「綴」プロジェクトによる)
http://canon.jp/tsuzuri/
南面の縁側から正面と左面の龍を見るとどちらの龍もこちらを見つめている。
また、東面の廊下から正面と右面の同じ龍を見ると、この時も二つの龍はこちらを見ている。
この部屋で修行する僧は、どこからも双龍によって見つめられる。にらまれている。
もう一つの双龍図。
講堂天井に描かれたそれは見上げる私たちに視線を交合わせない。
二つの双龍図の目の描き方が、視る者との眼差しに関係する。
白目の左下に黒目を描かれた龍と、白目の右下に黒目を描かれた龍の二つの龍が配置された海北友松の雲龍図。
白目の左上に黒目を描かれた龍と、白目の右上に黒目を描かれた頭部を近づけて龍が向き合う天井画の双龍図。
>思考の飛躍
言語獲得以前の赤子の視線についての実験報告
言語獲得段階の赤子はモノを指し同時に同意を求めるように人の顔を見る。
この段階で赤子の視覚はまだ完成されていないが、人の顔の目を伺い見ていることが実験で報告された。
顔の中の二つの丸い瞳の動きをピントが合っていない視覚で赤子は追いかけながら他者の同意を得るように言語を獲得する学習を行っている。
ぼんやりした視覚の中で、眼差しの行方とその表情を追うことで、視られることを意識しながら言葉の獲得と認知を学習する。