"Someone Is ‘Vandalising’ Streets With Pixel Art, And The Result Is Awesome"
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この記事のピクセルアートは制作された後、街中に制作物であるイメージを設置し、それを写真に収めインスタグラムなどのSNS環境で公開されています。
つまり、ここで見られるようなピクセルアートは制作物を白い壁を背景にした美術館やギャラリーに展示して鑑賞するのではなく、アクチャルな現実風景の中で設置し写真に撮られることを前提にしています。写真に撮られた後のイメージがアクチャルな奥行き感の中に位相の奥行きを表し、現実風景のピクセル化が試みられています。
撮影された写真もまたピクセルとして公開されているのですが、作られたピクセル画と風景写真のピクセルの間には解像度の異なる次元をはめ込んだアクチャルな空間におけるピクセルコラージュといったもので、位相奥行き遠近が発生しています。
僕がピクセル画に熱中したのはPILOT社から銀色のペイントマーカーが発売された1980年代前半~中頃のことです。
青色のマジックペン、紺色のペイントマーカーで気軽に描かれたイメージをより形状的にはっきりさせるため銀色のペイントマーカーによる手描きでピクセル化していったものです。
リヒテンスタインの拡大されたコミックの絵に拡大された印刷網点のドットが、中間色や奥行きを表現するよりも、ある大きさを超えた場合に奥行きから手前に飛び出してくるようなイリュージョンを見たことによります。
一方、コンピュータの登場による現代的なデザインとしてのピクセルパターン、ビビットでデジタルなデザインパターンはソットサスを中心とした多国籍デザイン集団のメンフィス(1981~1988)やスタジオ・アルキミアに多く登場します。
*メンフィス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9_(%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3)
印刷物の網点、ドットの丸を四角のピクセルにして手描きしようとしたことはドットの〇とピクセルの□についての視覚に与える効果についての思考があります。
角がある四角いピクセルは、角が無い丸いドットより目に刺激的である。丸いドットは画面に奥行きを与えるが、四角いピクセルは画面のこちら側に向かってくる。それは眼球が丸い球であることに対し、四角は目に突き刺さる角があることによる。と非科学的な直感によって実施しようと思ったのでした。
四角は平面の形と相似形をなし、フラクタルにイメージを画面形状と連動させることができる。
建築的な背景より登場した四角い画面の絵画。底から分離したタブローの四角、
生誕図のシリーズを始めた背景には同時期の全く異なる手法による絵画実践がありました。
僕が金沢から名古屋へ来た時の目的は、もう一度初めからやり直すということが一つの決心でした。4年後その決心の卒業制作を描かねばならぬと決めた僕は、西欧キリスト教美術の古典に倣って現代の生誕図を描かなければならないと思いました。
それは西欧キリスト教美術の神を人間に置き換えた人間の生誕図です。
当初、その技法も油画の伝統的手法を倣って試みたそれは、背景のイメージモチーフのみ現代に置き換えたものでした。
このイメージは磯崎新氏の「廃墟へ」で有名な原爆投下後の廃墟コラージュから影響されています。氏のその後発表された廃墟デザイン記号を建築したつくばセンタービルの版画イメージからはそのまま借用されています。
それは未完状態のまま完成に至らず放置されましたが、同時期に制作していた青色マジックと銀色のペイントマーカー(アルミ粉のマーカー)によるドローイングによって、技法から現代の生誕図にしなければならないと思い、新たな生誕図を始めました。
手法的には、印刷物の網点、ドットを拡大したリヒテンスタインの絵画に対抗し、丸を四角のピクセルにして手描きしたこと。
角がある四角いピクセルは、角が無い丸いドットより目に刺激的である。丸いドットは画面に奥行きを与えるが、四角いピクセルは画面のこちら側に向かってくる。それは眼球が丸い球であることに対し、四角は目に突き刺さる角があることによる。と非科学的な直感による。
四角は平面の形と相似形をなし、フラクタルにイメージを連動させることができる。
この絵は1985年旧愛知県美術館でのグループ展に発表後、1992年のラヴコレクションギャラリーでの個展時に追加した二つのアルミパネルとともに三福対として発表しました。