パブロフの犬とシュレディンガーの猫
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2012年11月21日水曜日
Heihachiro's Ripples 03 ~平八郎の「漣」3
大阪市立近代美術館心斎橋分室に展示された「漣」は左のポストカードのように屏風を全開した状態で壁にはりつけられている。
しかし屏風は本来、畳間に少したたまれた状態で直立する。
その本来の状態でのインスタレートが平八郎の「漣」という装置とその作用空間を見る作法であるだろう。
180度に開かれた状態で見る時、それはタブローとして見る絵画である。
しかし、少したたまれた状態で畳に直立する時、中心線に向かって遠近が発生する。
開かれた時の図の奥行きは画面左上に向かってなだらかに後退するが、たたまれた時の奥行きは中心線で屈折する。
Heihachiro's Ripples 02 ~平八郎の「漣」2
平八郎が意図したかもしれない装置の作用空間を確認するために1/10のスケールモデルを作る。
美術教科書の印刷と絹本着色という説明だけで誤解していたこの作品を補完するために。
図版による黄色みがかった白っぽい地色は金箔の上に貼られたプラチナ箔の効果ではなく、撮影時に反射した色が映り込んでいるものであるだろう。
熱転写でプリントアウトしたものを裏側からシンナーで表面のマゼンダがかった青紫色を洗い落とし、地の部分にラッカーの銀色(アルミ粉)を塗る。
現物の地は強烈な銀色の反射効果はない。
そして岩群青で描かれた図は、吸い込みのある紙にマジックインキの青で描かれたように光を吸い込んだ青の図である。
Heihachiro's Ripples 01 ~平八郎の「漣」1
平八郎が意図したかもしれないことを期待して見に行った「漣」。
あぁ~なんということだ。屏風は180度に全開され、無残にも壁にはりつけにされている。
それもガラスケースの中で、トップライトを浴びながら。
図としての「絵画」を鑑賞しようとする近代美術館的展示。
はたしてこのインスタレーションは平八郎の装置の効果を伝えているか。
表現方法としての「インスタレーション」ばかりに気を配る昨今、ものを置く、設置するということがどういう効果を指向するか、本来の意味でのインスタレートがもっと考慮されるべきである。
そうすれば80年前に作られたものの現代的意味が絶えず現前し、目の前にたち表れるのだが。
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000166029.html
美術館を出、松屋町に向かって歩き末吉橋から東横堀川の漣を撮影する。
阪神高速1号環状線高架に反射する漣の効果。
この反射効果をアーティフィシャルに、住空間に、屏風に貼られたプラチナ箔と岩群青で平八郎は試みようとしたのではなかったか。
東横堀川末吉橋より見る
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