2012年11月21日水曜日

Heihachiro's Ripples 03 ~平八郎の「漣」3

大阪市立近代美術館心斎橋分室に展示された「漣」は左のポストカードのように屏風を全開した状態で壁にはりつけられている。

しかし屏風は本来、畳間に少したたまれた状態で直立する。
その本来の状態でのインスタレートが平八郎の「漣」という装置とその作用空間を見る作法であるだろう。

180度に開かれた状態で見る時、それはタブローとして見る絵画である。
しかし、少したたまれた状態で畳に直立する時、中心線に向かって遠近が発生する。
開かれた時の図の奥行きは画面左上に向かってなだらかに後退するが、たたまれた時の奥行きは中心線で屈折する。